前回「尼崎でUber Eatsの配達パートナーから愛される加盟店」ということで、まるちゃんにインタビューさせていただきました！
そのときのインタビュー記事がこちら
尼崎でUber Eats配達パートナーに最も愛される人気加盟店にインタビューしてみた「Uber Eats」と聞けば「あー、あれね」となる人がどんどん増えてきましたね
「注文者は外へ出る手間が省け、お店は店舗に来なく...
実はそのときから「あと1ヵ月くらいで看板が変わる」と聞いてたんですが、実は看板だけでなくお店のメニューやいろんな面で進化したみたいです！
今回のインタビューでは
- 以前の「大衆居酒屋まるちゃん」から何が変わったのか
- 新しいまるちゃんの在り方
こういったところを聞いていきたいと思います
インタビューのお相手：まるちゃん
【名前】丸山さん
【モットー】人に夢と希望を与える人生を
【経営店】肉汁爆発餃子、名物唐揚げまるちゃん
【目的】親子三世代永きに渡り地域に愛されるお店、スタッフになること
従業員のほとんどが元はお客さん（で今もお客さんとしても来ている笑)という、人望でお店を回してしまう化け物です
既に私のUber Eats仲間の大半が常連さんになってしまいました。お店に行くとだいたい誰かいます笑
会うたびに新しいアイデアを喜々として話す精力的な熱い漢
インタビュースタート！
あさひくん
業態変更があったとのことなんですが、具体的にどんなことが変わったんですか？
まるちゃん
実はこれを機にいろいろ変えたことがあるんですけど、まとめるとこんな感じです
まるちゃんのココが変わった！
- 看板名が「大衆居酒屋まるちゃん」から「肉汁爆発餃子、名物唐揚げまるちゃん」に
- メニューを約20品減らした
- メニューの単価が約100円アップ
- 求人を本気で
- 全席禁煙に
- 自動販売機を無くしてメニューディスプレイを設置
看板名が「肉汁爆発餃子、名物唐揚げまるちゃん」に
あさひくん
誰もこの看板を見て「まるちゃん」を居酒屋とはもう思わないでしょうね笑
まるちゃん
まさにそうしたかったんですよ！コロナの影響もあるんですが、「居酒屋」って言葉はこの頃では良いイメージが持たれない傾向があるんです。なので今回「居酒屋」という言葉を無くして、お店の売りにしている料理を全面に出しました
あさひくん
そういった背景があったんですね。確かに私はお酒を飲まないので「居酒屋」って見るとお酒を飲まないといけないイメージがあって入ることはほとんどありませんでした
まるちゃん
居酒屋＝お酒、ってイメージはみんなあると思います。うちではお酒を飲まない人にも気兼ねなく来て欲しいと思ってます
メニュー減＆単価アップ
まるちゃん
これは以前インタビューいただいたときにお話しした、うちが取り入れている経営戦略の「5way（ファイブウェイ）ポジショニング」が理由です
5way（ファイブウェイ）ポジショニングとは？
簡単にまとめると・・・
全てのビジネスは「経験価値・商品・アクセス・価格・サービス」という５つの分野に分けて考えることができる。それぞれ５段階評価をするときに、最大限に経営しようと思うと「5 4 3 3 3」のバランスで力を入れる分野を振り分けると良い、という考え方。
5：市場支配レベル
4：差別化レベル
3：業界標準レベル
あさひくん
「全部５とか無理だから、１つの分野で他より差別化できるとこまで高めて、もう１つの分野でぶっちぎりなさい」ってことだね！
「ファイブウェイポジショニング」の考え方が書かれている本はこちら
フレッド・クロフォード/ライアン・マシューズ イースト・プレス 2013年09月
あさひくん
まるちゃんでは経験価値を5、商品を4、という方針でしたよね？
ここでの「経験価値」には、「このお店がやっていることは楽しい」という外的な経験だけではなくて、「お客さん1人1人を個人として大切にして、親密さを築く」という内的な経験も含まれます。「お客さん個人個人と親密に繋がる内的経験を大切にした店員」と「お客さんに喜んでもらえるような要素」の２つを合わせて経験価値と表現するそうです
まるちゃん
そうです！今回メニューを20品くらい減らして単価を少し上げたのは、経験価値5と商品4のためです
あさひくん
メニューが減ることと料理の単価が上がることが、どうそれに繋がるんですか？
まるちゃん
まず経験価値５のためには、ご来店いただいたお客様と接する時間がすごく大切になります。お客様との関わりの質を上げることで良い経験価値を提供できるようになるので
あさひくん
確かに会話が0だと経験価値の提供をしようがないですよね
まるちゃん
はい。以前はメニューが70ちょっとあったんですけど、オペレーションが重すぎて料理に時間がかかり、提供が遅れてしまって、お客様の不満を生む原因となっていました。そして、料理に時間がかかり過ぎるのでお客様との接点が疎かになってしまう時がありました。
あさひくん
なるほど。お客様との時間を確保するためにメニューを削ったわけですね
まるちゃん
そういうことです。仕込みの時間が減ったので、昼間と夕方は最大限Uber Eatsの営業に集中できています。さらに、経験価値5に向かうためにスタッフと行うロープレの時間も確保できるようになりました。
あさひくん
まるちゃんのロープレへの情熱はすごいですよね。Uber Eatsの配達パートナーに料理を渡すまでのロープレをしてるの、尼崎でここだけだと思いますよ笑
まるちゃん
ありがとうございます。ロープレに関しては、かなり細かいシチュエーションに分けてみっちりやってます
あさひくん
すごいこだわりですね。経験価値５のための取り組みはよく分かりました。商品４についてはどうですか？メニューは減ったわけですけど
まるちゃん
うちは特に「ビール・餃子・唐揚げ」の３つに自信があります。餃子と唐揚げについては看板でもアピールしてますが、ビールも本当に自信があります！接客でビールを飲まれる方には「生ビールにめちゃくちゃこだわっており、日本一のキリン一番搾りを目指しています！」とお伝えしています。
まるちゃん
そう言いきれるくらい、一手間もふた手間もかけて、やれることを全てやっています。他店さんではしていないことを毎日行うことで、スタッフの目にも見えますし自信から確信に繋がっています。
あさひくん
なるほど。まるちゃんに来るお客さんにはぜひ試してほしですね！メニューが減った背景はよく分かりましたが、料理の単価が上がったのはどうしてですか？
まるちゃん
これもうちの5wayポジショニングに合わせるためです。以前までのうちの価格帯は3.5〜4くらいでした。うちは、「経験価値5、商品4、価格3、サービス3、アクセス3」なので、教科書通りにしたということです。(星野リゾート星野さんは教科書と言っておられるので)
あさひくん
高くなった、というより元が安かったんですね笑 でも料金が少し上がってからお客さんから何も言われませんでしたか？
まるちゃん
それが全然そういった声はありません。むしろうちのスタッフの方がすごく心配してたくらいで、実際はお客さんからは反感はありませんでした。もちろんこれからも工夫していきますが、うちで出しているメニューには自信があるので僕は問題ないと思ってました
求人を本気で
あさひくん
経験価値で話していたロールプレイで思い出しましたけど、最近昔からのスタッフさんが卒業されましたよね
まるちゃん
はい、長く働いてくれていたスタッフが卒業したので新しく求人をかけました
まるちゃん
その通りです。でも、仕事ができるできないとかは関係なくてむしろどうでもいいんです。本人に成長の意欲があるかどうか。本気と言っても、仕事の本業があったり、学校があったり、主婦の子もいますので家のことがあったり、友達のこと、恋愛のこと、いろんなことがありみんな忙しいと思います。でも出勤の前後はしっかり自分、お店、お客様のことを考えて働いてほしいと思っています。ただ時給のために働くのはとてももったいないと思っています。
あさひくん
まるちゃんの精神に共感して本気で頑張ってくれる人とやっていきたいということですね
まるちゃん
その通りです。最終的にはそれが一番スタッフのためにもお客様のためにもなると思ってます
あさひくん
それだけ徹底してるからこそお店全体の雰囲気がいつ来てもいいんですね
まるちゃん
誰からでもそう言っていただけるようにしたいと思ってます。「まるちゃんだから」「このスタッフだから」ではなく、ここで働く全員がお客様から良かったと言ってもらえるようになれば経験価値５に近づくと思ってます
全席禁煙に
あさひくん
私タバコも吸わないので個人的には良いなと思いますけど、これかなり反感買ったんじゃないですか？
まるちゃん
これはかなり常連さんからブーイングがきました、強く笑
あさひくん
多分覚悟の上で踏み切られたんだと思うんですけど、どうして禁煙にしたんですか？
まるちゃん
これは経験価値にも繋がると思うんですが、タバコを吸わない人が我慢する、もしくは吸う人が周りに気を遣う、というのが嫌だったんですよね。もともと条例で喫煙できるこういったお店には子供が入れないんです。親が許可するなら暗黙の了解で、というところもあるんですけど、うちはそれも良くないと思いました
あさひくん
みんなが気持ちよく来店できるお店にしたかったということですね
自動販売機を無くしてメニューディスプレイを設置
あさひくん
以前インタビューに伺ったときはお店の前に自販機がありましたよね
まるちゃん
はい、大きな額ではないですけど設置することで利益が毎月入ってくるので以前は置いてました
まるちゃん
自動販売機の利益が減ることよりも、うちを外から見た人がどんなお店か知って入りやすくすることの方が大事だと考えたんです。看板で店名を大きくするお店もありますが、そのお店に何があるのか分からないですよね？店名変更もそうですが、ファサード(店舗の正面の外観)のことは、河野祐治さんの本（①飲食店完全バイブル②3ヶ月で儲かる飲食店に変える本）を参考にさせていただいております。
あさひくん
確かに店名が大きいだけだと、ざっくり「ここはイタリアンか。和風料理が出てくるのかな」くらいしか分からないですよね
まるちゃん
そうなんですよ。なのでひと目で「ここで何が食べられるのか」が分かるように大きなメニューのタペストリーを設置しました
まとめ：まるちゃんの業態変更はお店の理想の理念に近づけるための変更だった
あさひくん
変更点はいっぱいありましたけど、結局１つ１つは全て「目的を遂げるため」だったんですね
まるちゃん
はい、以前よりもさらに自分の目指している形に近づけるための変更でした
あさひくん
知り合いのTwitterでは「前みたいなまるちゃんじゃなくなっちゃうのか！？」とか心配している声を見かけましたけど、むしろ良くなったことばかりですね！
インタビューを終えて
いやぁ、まるちゃんに会うと毎回そうなんですけど、学ぶことがいっぱいです
「美味しい料理と素晴らしい時間を提供する」というまるちゃんのこだわりの裏にはいろんな工夫や考えがあったことを知りました
飲食業界には詳しくないんですけど、Uber Eatsの視点から見たまるちゃんはかなりすごいんですよね
- 個人経営の加盟店なのに1日の注文数が20件をコンスタントに超える
- リピーターが6割以上
- 配達パートナーたちがとにかく気に入っている
これは簡単なことじゃないです。同じかそれ以上の成果をだしているお店は尼崎にはありません
実は今回のインタビューの中でもまた新しい企画が始まりそうな流れになってるんですが、どんどん一緒に尼崎を盛り上げていきたいと思います！
いろんなお店に詳しく味にもうるさくなりがちなUber Eatsの配達パートナーが常連になるレベルなので、まだまるちゃんに行ったことがない人はぜひ足を運んでみてください！
アクセスが都合悪くて行けない人はぜひUber Eatsで注文してね！
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